狼男


いつもだったら、“クソッ”と悪態をついていたかもしれない。

でも何故か・・今は“不在で良かった”と安堵している自分がいる・・。



「出直しますか鮫島班長?」


「そうだな・・・・いや待てよ。」



気付くな・・鮫島さん・・・。
俺がこの後一人で確認しに行く・・・。

だから・・・閃いちゃダメだ・・!



「マズいかもしれないな。

・・山田、すぐにマイアーが受け持っている子供が他にもいないか調べるぞ。」


「あ!・・ま・・ままままさか!?」


「今この瞬間にも【4件目】の家族に近づいているかもしれない。」


「確かに・・!すぐに調べます!!」


「もしかしたら・・現行犯で逮捕できるかもしれないな。」





「・・・・・・・・・・・・・・。」


「ユウマ?さっきから顔色悪いぞ?」


「・・鮫島さん。お願いがあります。」


「うん?」


「4件目になり得そうな家族が見つかったら、絶対に俺を“魁”にしてください。

俺が真っ先に現場へ飛び込みます。」


「分かった。並行して礼状の準備もしておく。お前が手錠かけろ。」


「ありがとうございます・・。」






第3話 完















< 45 / 125 >

この作品をシェア

pagetop