吐息
「仕事は、しばらく休むように言ったから」
突然、飛鳥さんがそんなことを言った。
不意打ちのような彼のセリフに、ミニトマトをつかみ損ねる。
「え……休む?」
彼は、涼しげな顔でコーヒーをすする。
「うん。あんなことがあったんだ。気持ち的にも、少し休んだほうがいい」
「でも……」
「お金のことなら心配しなくていい。休んだ日の分、俺が払うよ」
私はゆるゆると首を振った。
「そんなの受け取れません……絶対に」
「強情だなぁ。受け取ってほしいのに。ーーあ、そうだ。じゃあ、今日一日、俺が君を指名する」
「え?」
「指名料、払うから俺と一日付き合って。俺も今日オフだし暇なんだ」
ね、いいだろ?
と飛鳥さん。