吐息
高ぶりと緊張


深夜2時。

ホテルを出ると、彼は待っていた。

紺色のスーツ姿の飛鳥さん。

翡翠色の目をした彼の肌は白くて、非がないほど整った顔をしている。

人通りの多い街中では、すれ違う女性が必ず振り返るほど、格好良い飛鳥さん。

でも今は夜中で、繁華街から少し離れた場所にあるこのホテルの周辺に、人の気配はない。


いるのは、私と飛鳥さんだけだ。


< 15 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop