吐息



タクシーを降りた時は、いなかった。


おそらく陰で待ち構えていたのだろう。


「ぁ……の」


言葉に詰まっていると、アリアさんは微笑んだ。



「こんばんはっ、華さん。いっしょに飲みましょ?」



暗闇の中、透き通った彼女の笑顔だけが、不気味に輝いていた。

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