涙の理由
第0.5粒 親友
あの後、チャイムが鳴り彼女は戻っていった。
「後でね」と言って……。
……彼女は知らない。
……私の事何て分かるはずがない。
私はそんな事を思いながら授業を聞いていた。
「柚惟ちゃん!ご飯食べよッ」
お弁当が入っているだろう入れ物を揺らしながら私の所に来た。
「…………」
私は別に嫌でもないのに断るのは可哀想と思い、小さく顔を頷かせた。
「へへっ!じゃ、食べよっか」
彼女は椅子に座り「いただきまーすっ!」と元気よく言った。
勿論、あの笑顔で―――。