マネキン少女
大人への憧れ
私がユリカから離れなかったのは、それなりに理由が有ったと思う。


正直、今のクラスでは気を許せる程仲の良い友達は居ない。


だから、ユリカと寄り添って居たかったのかも知れない。


あの日。本音を聞いた日以来、ユリカは再び学校に来なくなった。


ユリカが居なくなった教室に居るのは辛い。


りんが気を使ってくれて、ほのかとの仲を取り持ってくれるのに、こんなにも辛さを感じるのは何故だろう。


何だか10分休憩に教室に居るのも、辛い。


息が詰まって、呼吸困難に陥ってしまいそうで、苦しいの。


唯一の安らぎは昼休みで給食を食べると屋上に、向かって駆け上がる。


あの日＿＿
ヒロが私の事を守りたいと言ってくれた日から、毎日のように屋上で顔を合わせるようになった。


むしろ今までと違って、ヒロが先に屋上で待っている時もあるくらいだ。


「よっ！」
「よっ！」


いつも通りの挨拶を交わし、まるで当たり前かのようにヒロの隣に腰掛ける。


「最近どう？」
「んーとね……。やっと自分の中で決心が付いたから言うけど、ユリカと……縁切ったんだ……」
「そうか……。だから、寂しそうにしていたんだね……」
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