マネキン少女
ヒロの家に警察が踏み込んでからどれくらいの時間が過ぎたか分からないが、救急車は帰ってしまった。


その代わりに警察の人数が増えて、ヒロの母親と父親はパトカーに乗せられ連れていかれる。


私達を励ましていた警察官が、カナを連れて何処かに行ってしまい、1人取り残された。


そこから、どれくらいの時間が過ぎただろう__


外も暗くなり、家に帰る。


♢♢♢
食欲が湧かない為、シャワーだけ浴びて自分の部屋に籠る。


ヒロは無事なんだろうか__


1番知りたい事が分からなくてもどかしい。


結局、答えが分かる事無く時間が過ぎていく。


日曜日にヒロの家の様子を見に行ったが、進入禁止になっており、何がどうなっているかすら理解が出来ない。


ヒロの家に群がった野次馬の会話に耳を傾け、情報を得ようとする。


「虐待らしいわね!」
「虐待で亡くなるなんて、可哀想に__」


誰かが亡くなった。


大丈夫__。野次馬からの情報なんて、嘘か本当かも分からない。


第一、それがヒロの事かすらわからないのに。


なのに、涙が止まらないのはなんでだろう。


ヒロが死んだらどうしょう。そんな不安でいっぱいいっぱいだ。

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