マネキン少女
「次はね、○○て雑誌からオーダー来てる訳!!だから、オーディション受けない?」


なんだか、ヒロの死によって有名になった感じで嫌だけど。


「はい……」


「あとね、CMのオーディションもあるし、テレビにも出たくない!?」
「はい……」
「あと!出版の話も来てるんだ!」


出版?


私に小説でも書けと言うのだろうか__


「私、文書なんて書けませんよ……」
「でも、るるちゃん読書が好きだよね!」
「はい……」
「なら、書ける!!」
「書けますかね?」
「書ける、書ける!ヒロ君との恋愛話書いてくれるなら、僕も是非読んでみたいなあ……」


ああ。
そういう事か。


「今はちょっと疲れているので、少し寝ても大丈夫ですか?」
「うんうん!大丈夫!!今日は疲れているだろうから、ゆっくり休んで!!目が覚めたらいつでも連絡頂戴よ!!夜中でも良いから!!」
「はい……」


電話を切ると、ベッドに横になった。


さっきまで感じていた暖かさは、すっかり無くなっている。


さっきまで心配して、私に会いに来ていたヒロが何処かに行ってしまったかのように思ってしまう私。


自分のロマンティストな一面を見た感じがして、笑ってしまう。
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