マネキン少女
私だって、私の全てを話してこんな風に受け入れて貰えたら嬉しいだろうから。


まあ、私には真実なんて話す勇気はないけど__



「そんなんじゃないんだ……」


私がそう言うと、クスッと笑うヒロ。


「分かってる。るるちゃんは、興味本位でそんな事を言ったんじゃない事位、ちゃんと分かっているから!」
「ありがとう!ヒロ君の事を純粋にもっと知りたい!」
「なんか……。今日のるるちゃん大胆じゃない!?」


私はきっと前からヒロが好きだった。


それは、ヒロに自分と似たような闇を感じていたからなのかも知れない。


「ねえ!」
「うん?」
「ヒロ君はあんまり、ここ(屋上)に来てくれないよね……?」
「へ?」


あ。あんまり攻めすぎただろうか。


「私はもっと、ヒロ君と喋りたいの!!」


私じゃヒロを助けてあげれないから、せめて溜まった物を吐き出す相手にしてほしい。


それで、少しでも良いから楽になってくれれば嬉しいなんて思う私は身勝手な人間なのかも知れない。


「俺に惚れた!?」
「そうかも……」


自分からそういう話に振っておいて、少しだけ困った表情を浮かべるヒロに困ってしまう。
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