マネキン少女
でも、ヒロが常におどけているのは自分の身を守る方法だったのかも知れない。


孤独なピエロ。


そんなヒロが更に愛おしく思える、私は何処かおかしい。


「私はもっと、ヒロ君と喋りたいの!!」
「はいはい!」


あー。なんかハイテンションになり過ぎただろうか。
ヒロが困っているように見える。


「じゃあ、苦しい時はここに来てるるちゃんに癒してもらうわ!!」
「うん!また、来てね!!待ってる……」
「おー!!」


ヒロの姿が見えなくなって、今日の自分の行動を酷く反省してしまう。


なんていうか興味本位で、ヒロに探りを入れているみたいではないか。


少しガックリして、屋上から教室に戻った。


「るるちゃん!きょうの夜って空いてる?」


ユリカが無邪気な笑顔を浮かべて、そんな事を聞いてくる。


「夜は無理だよ……」
「るるちゃんてば、真面目!!」
「で、夜になんか有るの?」
「んー!友達にね、るるちゃんの写真見せたら会いたいって言われたから!!」
「それって、男?」
「うん!そうだよ!めちゃくちゃイケメン!」


興味もないけど、ユリカと一緒に居たら酷い目に合う気がする。




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