マネキン少女
「んー、今は男は要らないかな……」


それだけ言って、トイレに駆け込んだ瞬間に震えるスマホ。


ユウヤからの着信だ__


今は学校なのに。でも、急な話かも知れないなんて思いながら電話に出る。


「はーい!」
「あ!るるちゃん!!今日ユリカに夜に遊ばないかって誘われなかった?」


なんで知っているのだろう。


「なんで知っているの?」
「ああ……。やっぱり!!絶対に遊んじゃダメだよ……」
「なんで?」
「んー!るるちゃんには、あまり言いたくない……」


ここまで言っといて、肝心な部分を言わないなんて気になってしまう。


「教えてよ……。気になるよ!!」
「ユリカな……」
「うん……」
「るるちゃんの事回そうとしてる……」


はっ?


そんな事を考えているだなんて信じたくないが、ユリカが私の事を嫌っているのは紛れもない真実で。


「私、なんでそこまでユリカに嫌われてる?」
「分からない……。でもさ、るるちゃんに非はないと思うよ!俺はそんな仲良い訳じゃないけどるるちゃんの事良い子だと思うし!だからこそ、傷付けたくなくて全部話している訳だし!まあ、関わらないようにしな!」
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