秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 
 連れてこられたのは、『ポピーウィズ株式会社』の本社ビルにも引けを取らない都内の超高層マンションだった。

 車を地下の駐車場に入れた相良さんは、私の荷物を下ろして後部座席のドアを開けてくれる。恵麻が再び眠ってしまっているのに気がつくと、彼は柔らかく目尻を下げ、小声で「行こうか」と足を進めた。

 私が慌ててあとを追うと、邸内には天然石のような石で設えた広々としたエントランスホールが続き、クランクした場所にはコンシェルジュカウンターが覗いていた。

 まるで別世界に来たみたい……。

 エレベーターホールの扉の前で足を止めた相良さんがリーダー部分に手をかざすだけで扉が開き、仕組みがよくわからない私はさらに一驚した。

 エレベーターに乗り込むと、いよいよ足がすくんで動けなくなる。

 相良さんは勘違いと言っていたけれど、いったいなにが勘違いなのだろう。こんなふうにご家族に会うつもりなどなかったし、合わせる顔もない。

 そもそもご家族にはなんて説明する気なの?
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