初恋交響楽
ガバッと起きあがると、
「ーーゆ、夢か…」

わたしは呟いた。

隣の大国くんに視線を向けると、彼はまだ眠っていた。

枕元の目覚まし時計の方に視線を向けると、5時を過ぎたところだった。

夕方のではなく、朝である。

時間はあるけれど、2度寝をする気にはなれなかったので、わたしは大国くんを起こさないように注意をしながらベッドから出た。

ゆっくりと丁寧に寝室のドアを閉めると、わたしはトイレへと足を向かわせた。

用を済ませて洗面所で顔を洗うと、キッチンに顔を出した。

紅茶を淹れてリビングのソファーに腰を下ろすと、マグカップに口をつけた。

体温が下がっていた躰が温まって、紅茶のいい香りが鼻を通り抜けた。

「それにしても、すごい夢だったな…」

そう呟いた後で、テーブルのうえにマグカップを置いた。
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