Crush~いつも君を想う~
「一果」

控え室のドアにかけた千世ちゃんは私の名前を呼んだ。

「結婚おめでとう」

笑顔で言った千世ちゃんに、
「ありがとう、千世ちゃん」

私も笑顔で返事をした。

千世ちゃんは手を振ると、控え室を後にした。

「いよいよ、か…」

彼女の後ろ姿を見送ると、窓から空を見あげた。

雲1つない青い空がとてもキレイだ。

空を見あげていたら、控え室のドアが開いた。

「本條一果さん、お時間ですよ」

ドアから顔を出して声をかけてきたスタッフさんに、
「はい」

私は返事をすると、ドアの方へと足を向かわせた。

スタッフさんに案内されるように会場へと向かうと、黒の紋付き袴姿の林太郎さんがすでに到着していた。
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