Crush~いつも君を想う~
12階にあるレストラン街に足を踏み入れると、特に行列がなかった中華料理店を本日の夕飯に選んだ。

「今朝知ったんですけど、今回のイベントの最終日にこの近くで花火大会があるんだそうですよ」

メニュー表を見ながら、私は林太郎さんに話しかけた。

「花火大会ですか?」

「はい、もし林太郎さんがよろしかったらなんですけど…仕事が終わったら一緒に花火大会に行きませんか?

林太郎さんの都合がよければの話なんですが」

そこまで言うと、林太郎さんの顔を見た。

「それはいいですね。

ただ、イベントの後片づけで多少は遅くなるかも知れませんが」

「構いません」

そう返事をした私に、
「わかりました、一緒に行きましょう」
と、林太郎さんは答えた。
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