Crush~いつも君を想う~
「じゃあ、俺はこの辺で…」

そう言って牧田くんは立ち去ろうとしたので、
「うん、またね…」

私は彼に手を振って見送ったのだった。

牧田くんの後ろ姿が見えなくなると、
「一果さん」
と、林太郎さんに声をかけられた。

彼の方を振り返ると、どこか様子がおかしいことに気づいた。

どこがと聞かれたら答えることはできないけれど、いつもの林太郎さんじゃないような気がした。

「林太郎さん?」

彼の名前を呼んだら、
「えっ…ああ、一緒に帰ろうか?」

林太郎さんは我に返ったようだった。

私は林太郎さんの隣に並ぶと、彼と一緒に歩いた。

だけども、私と彼の間に会話はなかった。

何となく気まずくて会話を交わすことができないまま、帰路についたのだった。
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