八木澤くんは不器用に想う



「……俺が、もっと安木を大事にしてればよかったんだ。
安木はきっと、俺との約束なんて楽しみにしてないだろうって決めつけて諦めてたから…花奈実の方に行った。

安木の気持ちなんて考えずに、酷いことした。

好きな女の子一人、笑顔にさせてやれない俺より、
他の女にもしてることだとしても、好きな子を笑顔にできる孝弥に嫉妬した。
花奈実に叩かれた安木を、すぐ庇えなかった自分が、情けなかった」




ごめんなって言って、頭を撫でる八木澤くんの手つきが、すごく優しい。


それだけで、十分だよ。



庇ってくれなかったの、悲しかったけど


怒ってないよ。




「……こんなやつに好かれるの、嫌だと思うし
もうとっくに、好きなやついるだろうけど…
……俺、まだ安木のこと好きでいてもいい?」



「え?」



「ダメならダメって言って。
生理的に無理って言うなら、諦めるから」



「諦めるって…」




なんで、そんなこと?




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