素直になりたい。
プロローグ
「あーっ!」


思わず大声をあげてしまった。

クラス全員の視線が私に集中する。


背中が痛い......。


なんて言っている場合ではない。

早く取りに行かねば。

私は無惨にも落下してしまった黒板消しを取りに中庭に大急ぎで向かった。

のだけれど、

その時には既に人集りが出来ていた。

それもそのはず。

4階から黒板消しが落っこって来たのだから。

その重罪を犯してしまった張本人はここにいます。

今から取りに行きますので、許してください。

と反省に反省を重ねながら、人混みを掻き分け、事故現場に入った。


すると、そこには男子がいた。

身長はざっと見、私と定規1つ分の差。

私の理想の身長168センチから175センチのストライクゾーンにばっちり収まっている。


この人、黒板消しを拾ってくれたのかな?

どんな顔してるんだろう?


なんて興味津々で近づくと、彼が先に振り返った。


えっ...


えっ...


えっ...



「えーーっ?!」


またしても私は叫んでしまった。

周りから白い目で見られる。

さ、最悪...

でも、それより最悪なのは...


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