素直になりたい。
「はっはっはっは!あーはっはっはっは!」


笑ってる。

頭が真っ白になった人が笑ってる。

大口開けて

お腹を抱えて

笑ってる。

そして、この笑い方、すっごく覚えてる。

記憶から抹消したくても出来なかったこの無邪気な笑顔。

憎たらしくて仕方がなかったこの顔。

間違いない、この人は...


「相変わらずだな、ハム」


彼がそう言いながら黒板消しを差し出してくる。

いつ見たってイライラさせる顔だ。

イライラを通り越してぞくぞくして鳥肌が立ってくる。

でも、まぁいい。

私がここに来た理由の1つが、あなただから。

今、ここではっきり言ってやる。

私は黒板消しを奪い取って、全てを爆発させた。


「櫻庭新大、あんたに復讐しに来た。もうハムとは呼ばせない。私は鷲尾直禾(わしおなおか)です。以上」


そう言ってその場を去った。

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