素直になりたい。
「お久しぶり、鷲尾さん」


わ、私だけ?


「お、お久しぶりです。お元気でしたか?」

「ふふっ。それはそれはもう元気よ。だって、あなたのお陰で吹っ切れたから」

「えっ?」


日下さんは姫君のようで天使のような柔和な笑みを浮かべた。


「新大に告白したの。つい、さっきね。でも、気持ちが良いくらいずばっとフラれちゃってね。でも...仕方ないって思った。相手が相手だったから」


えっと、それはつまり......。

さらに心臓が忙しく動き出す。

ドキドキを越えてバクバクになり、

ちょっと、いや、かなりグロテスクなことを言うと......

ろっ骨を突き破って出てきそうなほど。

私が目を泳がせ、頬を火照らせていると、日下さんが私の肩を掴んだ。


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