素直になりたい。
「もしかして、これ...」

「うん、そうだよ...。私、鷲尾直禾は、無事、綺桜学園高等部を卒業しました。
今まで、陰ながらの応援、ありがとうございました。

ですが...大学もあるので、あと4年は学生やります。

ちなみに健康栄養学部っていって、管理栄養士を目指すところに行きます。

ほら、私さ、昔バカみたいなダイエットしてたから、同じように困ってる人がいたら、その人の力になりたいって思って、助けてあげたいなって、それで...」


母が瞳を真っ赤にしながら、私の前で両手を広げた。

私は母の腕にくるまれた。

母の心音が聞こえる。

ドクドクドク...と規則正しく鳴っている。

この音を聞きながら私は成長してきたんだ。

なんか、感慨深いよ。

今、こうしているのも不思議に感じる。


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