素直になりたい。
「あ、そうだ。忘れ物」

「えっ?」


振り返ろうとしたところで

唇は盗まれた。

春の日溜まりのように

優しく温かい。

桜のように淡いピンクに染まった心は

これからもずっと

あなたのものだよ。

永遠に、

私だけを染めて。


「新大のバカ」


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