i -アイ-
Lv5

碓氷司side





思っていたより時間が掛かっている。



「遅くない?」


俺はそう言ってから、しまった、と思った。


なぜだか知らないが、藍人と蓮の仲がいいと暁と三國の機嫌が悪くなる。


俺の言葉で、空気が5,6℃下がった気がする。



「まあでも、蓮が1番久遠の居場所は把握してるだろうしね。どこかで話しながら来てるんじゃない?」



この間周りに迷惑をかけるなと言われた暁と三國は、あからさまな優介の煽りに耐えてる。



ガチャ、と音がして入ってきたのは



「……お邪魔していい?」


紺のカーディガンにブルーのワイシャツ、青のドットのネクタイをした、


「煙草っすか?槙野先生」


三國がそう声をかける。


「ん。いつもは裏庭で吸うんだけど、今草刈りしてて、青臭くてね。いいかな?」



「全然いいっすよ。お構いなく」




こんな先生居たか?


タレ目で、笑うとすごく柔らかい印象の男の先生。



俺らの邪魔にならないようにと配慮してか、1番遠くで煙草を吸っている先生。


少しして、扉がまた開き、久遠と蓮が入ってきた。



「暁、なんか用?」


久遠がそう聞くと、視界に入る先生が反応してこちらを見る。

そして、少し笑った気がした。



「ああ」



「つか、遅え」



不機嫌な三國が唸る。





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