i -アイ-

榊暁side





俺たち5人が思っていることは一緒。


藍が、どれだけ俺らと違う世界を見てきたか。


藍の見せる表情が、発する言葉が、漂わせる雰囲気が演技なのか本当なのか。



久々の喧嘩で、疲れたんだろうか。


足が動かない。



俺らはもう空気だと言いたげに窓の外を眺める藍。



本当の藍を捕まえたいのに、今の藍には俺でさえ声をかけられない。


『あなたにあたしの何が分かるの』


三國への言葉が、一番苦しかった。


三國のことを傷付ける言葉だった。



「藍、ちゃんと三國に謝れよ」



藍が言っていいことと悪いことを判断できないやつじゃないってことは、ここまで言われても信じてる。


「俺は、信じてる」


蓮がそう藍に声をかける。


「利益、不利益、そういう忖度で行動するのは理解できるよ。今の君は不利益だ。君の意向に沿うよ」


俺らは1人ずつ声をかけて、病室を出た。



溜まり場に全員集まって、各々好きなように時間を過ごす。



三國は寝室から出てこない。


三國が良くも悪くもムードメーカー。

あいつがREIGNでのリーダーだ。


No.1が俺だとしても。



「俺、見てきます」



そして、蓮がフラッグシップ。



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