青春の花は素顔に咲く


「骨折ねえ。何をしたの? 芽以」

 病院から帰って家につくとお母さんは淡々と言った。
 あたしはうつむき気味に腕を見る。

 包帯まみれで、痛々しい腕だ。ギブスも、大げさだと思う。

「それは、その」

(白銀をかばったって言えないよ……絶対白銀が怒られるんだもん)

「転んで……」
「あのヤンキーみたいな子が自分のせいって言ってたけど?」
「それは、勘違いで……!」
「この仮装は何で?」
「え、あ」
「お母さん聞いちゃったの。芽以が普段から変な格好で学校に行ってるんだって。お菓子な服の男の子に勉強を教えるんだって」
「おかしくなんかっ」
「……着てることは、否定しないのね?」
「うっ……それは」

 お母さんの凍り付いた視線にあたしは目をそらす。
 怖かった。目が合えば、石になってしまいそうで。直視できなくて、震え
た。
< 174 / 311 >

この作品をシェア

pagetop