物事は計画的に。
自分の気持ちに向き合おうと誓ったものの、読みかけの本に夢中になれる私はやはり神経が図太い。。。


翌日になり、平日は別々のベッドなので隣を見るとぐっすり眠っている岳さんを起こさないように寝室を出る。
本日は和食の予定だったので昨夜のうちにお魚に下ごしらえをしておいたのでグリルへ入れるだけ。

「おはようございます!」

「おはよう。」

彼は昨夜は相変わらず遅かったらしく、私が寝た後に帰宅した様子。
濃いめのコーヒーを淹れながらドキドキしている心臓を落ち着かせる。

ダイニングテーブルの椅子に座り、朝刊を読んでいる岳さんから声がかかる。
「椿、今日の予定は?」
「へぇ?
 あっっと、読みかけの本が昨日読み終わったので図書館か…本屋さんにでも新しい本を探しに行こうと思ってます。」

「そういえば、椿はどこの図書館を利用しているんだっけ?
 僕も週末借りたい本を探しに行こうかな。」

「中央図書館です。
 凄く広くて在架数も凄いんです!
 岳さんが良ければ私も一緒に行きます。」

昨日の事が濃厚過ぎて忘れかけていたが、今日はパートの日。
8時半からだから急いで家事をせねば間に合わない事にようやく気付いた。
慌てて洗濯機の残り時間を確認して出発までの時間と照らし合わせる。
(今日は干す時間がないから乾燥までにしよう。)
リビングへ戻り、焼けた魚とお味噌汁、ごはんをテーブルに並べる。

「椿、今日は外出するなら携帯電話忘れないように。
 僕は忠告したからな?」

「はっはい!
 了解しました。」


岳さんの前では図書館のキーワードをなるべく出さないようにしていたのに、いまだに動揺がある私は口に出してしまった。 

ヤバい。。。


「じゃ、行ってくる。」

「はい。お気を付けて。
 行ってらっしゃい。」


いつもと変わらない朝の風景。
ただ、私の気持ちは全く別のもののようだ。
「行ってらっしゃい」って言葉がこんなに素敵な事に始めて気付かされる。

恋って凄いパワーだ!!


スマホは、、、バッチリ鞄に入ってる!

< 70 / 193 >

この作品をシェア

pagetop