真夜中のサイコパス
学校に着いて、一年三組の教室に入っていくと、教室内が騒がしかった。


そして私がクラスメイトの会話にそっと耳を傾けると、私が恐れていたように、その会話の中には木村菜々子の名前が入っていた。


もうみんながあの事件のことを知っているんだと思うと、私は不安で仕方がなかった。


なにかの拍子に誰かが私を指差して、私が犯人だと断定するような漠然とした不安が私の心の中にあったから。


私は誰にも気づかれないように、木村菜々子の席をチラリと見ると、そこに木村菜々子はいなかった。


いつもなら、もうそこに座っているはずの木村菜々子がいないということは、木村菜々子が負ったケガが重傷で学校を休んでいるということだ。


私は席に座り、ドキドキしながら、木村菜々子のことを考えていた。


彼女の事故と私を結びつける証拠がどこからも出てきませんようにと願いながら。
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