真夜中のサイコパス
「あのう……。

ちょっとなにを言っていいかわからないけど……、大変だったんだね」


「うん、そうだね……。

こんなことになるなんて、考えたこともなかったから……」


「その火傷、治るんだよね……」


「今よりは良くなるかもしれないけど、前みたいには戻らないよ」


「そうなんだ……。

でも、早く治って、学校に戻ってこれるといいね。

私も美澄を待っているから」


「ありがとう。

もう少ししたら学校に行くよ。

いつまでも家にいるわけにもいかないから」


さみしそうにそう話す美澄を見て、朋子は胸が苦しくなっていた。


これがあの里山高校のアイドル、浜中美澄?


こんな美澄じゃ、もう男子からはモテたりしない。


かわいそう……。痛々しい……。こんな美澄は見たくない……。


朋子は心の中に沸き上がってきた感情を口に出さずに、美澄の家を後にした。


そして一週間後、美澄はようやく学校に登校してきたが、美澄の顔の火傷の跡が痛々しくて、みんなが美澄の前で笑えなくなっていた。


学校の男子たちはもう美澄に熱い視線を向けなくなった。


里山高校のアイドルだったはずの美澄は、今ではもう普通の女子よりもかわいくない痛々しい女の子だった。
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