キミから「好き」と、聞けますように。

紗雪side


日曜日。
わたしは、ひなに誘われて花火大会へ行くことにした。


どうして、ひなが急に花火大会に誘ってきたのか理由は何も言わなかったけど。


お母さんが着付けてくれたのは、淡いピンクと紫色の花の絵がある浴衣。
髪飾りは、それに合わせてピンクと紫色の2色の花。

優しい色合いで、わたしのお気に入りだ。


わたしの茶色いロングヘアも、お母さんがふわりとまとめ上げてくれた。



「ひなー!」



「紗雪! 行こう行こう!」



待ち合わせ場所へ行くと、ひなが先に待っていてくれたみたい。

ひなの浴衣は、黄緑色の生地に赤と白の梅の花が咲いたデザイン。
髪の毛についている、赤い花のかんざしがアクセントになっていて、よく似合っている。


いつもと違う履き心地。


「どうしても歩きにくいなら、普通の靴でもいいのよ」とお母さんは言ったけれど、わたしの中ではどうしてもしっくりこなかったので、楽な靴よりも下駄で行くと言ったんだから、今更引き返せない。




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