カレシとお付き合い② 森君と杏珠


 サエキさんの荷物を半分持って、2人で歩き出した。
 こんな気まずい瞬間、ありえる?
空気。重!

どよーん

 美人なサエキさんを間近に見て、何か言われるかな、とか、怖いな、とか、どんどん嫌な気持ちになって、重い気持ちしかしない。

 お互い黙ったまま歩く。

 珍しいよね。
サエキさんが、大人しいのって。

 どこまで持っていくんだろう。

 ちょっと、変な気持ちになってきた。

 ゴミ捨て場にそって、学校の敷地をしばらく行ったところにある、体育館の用具入れの前で、とまって、サエキさんは鍵を出した。

 先生から鍵を借りたのかな、とか普通に思ってた。

 だから、何の疑問も持たずに、持ってきた荷物を中に入れるため、真っ暗な用具入れにはいったんだけど⋯⋯ 。

ばたん、
がちゃ、

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