契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「でも良かったじゃん。無事に病院にも送り出せたんだし。その妊婦さん、きっと心強かったと思うよ、佑華がきてくれて」
自分の行動は果たして正しかったのか。
漠然とそんなことを思っている中で、亜紗美の言葉に救われる。
「そうかな……。うん、ありがと」
「そうだよ!」
結果オーライという感じだけど、あの瞬間、勝手に体が動いていたのは間違いない。
行こうか行くまいか、それを頭で考えもしなかった。
「よし、じゃあ佑華の好きな甘いものでも食べて旅行締めますか」
「え、いいの? 向こう出るときラーメン食べたいとか言ってたのに」
「いいのいいの。何食べてく?」
ソファーを立ち上がり、荷物を手にした時、向こうから制服の集団が近づいてくるのが視界に入る。
華やかな客室乗務員とパイロットの集団は辺りの人々の視線を集め、その周囲にはキラキラと光が舞い輝きを放っているようだった。
「宇佐美さま」
その中の客室乗務員のひとりが私の姿を目にすると、小走りで近づいてくる。
彼女はさっきの機内で対応に当たってくれていたひとりで、思わず「あっ」と声が漏れていた。