契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「となりとは親同士が仲良くて、うちの父親がパイロットだったから、子ども頃から見聞きして入った知識だな。プラス、知りたがりなタイプだし。俺より父親にいろいろ聞いてた記憶がある」
「そっか、それで……」
子どもの頃から、七央さんのご両親にも懐いていたのだろう。
さっきの様子をみれば容易に想像がつく。
「佑華も知りたい?」
「え?」
運転席に顔を向けると、真っすぐ前を見て運転をしている七央さんは横顔にほんのりと笑みを浮かべる。
「家では仕事の話はしないけど、佑華が聞きたいことがあればなんでも教える」
もしかして、美鈴さんの話を聞いたことで、変に気を使わせてしまっただろうか。
そんなつもりは全くなかったから、途端に慌ててしまう。
「あ、いえ、違うんです。そういうつもりで聞いたわけではなくて……でも、ありがとうございます」
「俺も、佑華の仕事のことは全く何もわからない。だから、機会があればこれから色々聞いてみたい」
「それは、全然なんでも聞いてください!」
表向きの関係だけはどんどん進んでいるけれど、出会ってからまだ半年にも満たない私たちは、お互いのことを多く知らない。
さっき会った美鈴さんのほうが、間違いなく七央さんのことをたくさん知っているのだろう。
わずかに心のどこかに突っかかりを感じながらも、気にしないようにそっと蓋をし葬った。