契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「いえ、全然。元気な方でしたね。パワフルっていうか」

「ああ、昔からああだ。変わらない」


 ちらりと、運転する七央さんに目を向ける。

 口調は素っ気ないけれど、その表情は穏やかでむしろ柔らかく感じる。

 お隣に住む幼なじみで、大人になって会ってもあそこまで仲がいいなんて、もしかして昔付き合ってたりとか、そういう関係だったりして……。

 勝手な妄想を繰り広げながら、流れる景色に目を向ける。

 高速道路に乗ると、前を走る車のテールランプを見つめていた。


「あの……コーパイって、なんですか?」


 しばらく続いていた沈黙を突然破ると、七央さんは「え?」と反応する。


「あ、さっき言ってたのを聞いて、ちょっと気になったもので」


 美鈴さんが七央さんに言っていたことだ。

 聞きなれないフレーズが耳に残っている。


「ああ、コーパイは、副操縦士のこと。業界用語みたいなもん」

「へぇ……そうなんですね。じゃあ、さっきの美鈴さんも七央さんと同じ業界のお仕事に就かれているとか?」

「いや、あいつは全然違う仕事してる。フリーのカメラマンしてて、よく海外に滞在してることが多いんだ」


 てっきり同じような業種なんだとばかり思った。

 それなのに七央さんとの会話で航空業界の専門用語が出てくるなんて、なんだかすごい。

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