契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
これ以上脇見をするわけにもいかず、マンション先の道を曲がり停車する。
急いで車を降り道を戻ると、そこには佑華と、見知らぬスーツの男が対面して話をしていた。
佑華の腕には、なぜだか幼い女の子が抱かれている。
やがて佑華の腕から男の手に子どもが引き渡され、男は停車している高級車に子どもを乗せると走り去っていった。
車に向かって手を振った佑華は、マンションのエントランスに向かっていく。
目撃してしまった光景に、頭の中は混乱を極める。
もしかして、見てはいけないものを見てしまったのか……?
今の男は、一体何者なのか。
あの子どもは? 誰の子なんだ?
車に戻り運転席に乗り込んだものの、ハザードランプを焚いたまましばらくその場を動けなかった。