契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました
「ふっ……ん、っ……」
唾液が妖しい水音を立てるたびに体温が上昇していくようで、体が勝手に火照っていく。
七央さんは私を口づけから解放すると、そのまま濡れた唇を首筋に這わせた。
熱い吐息に鼓動はますます早鐘を打って止まらない。
部屋着の薄いTシャツの上から胸の膨らみを掴まれて、背中がシーツから浮き上がった。
「あっ、七央さん、待って──」
「待てない」
即答してきた七央さんは、今まで見たことのない熱を帯びた目で私を見下ろす。
その焼けるような視線に何も言うことができなくなって、ただ七央さんの端整な顔をじっと見上げた。
「誕生日プレゼントは……佑華をもらう。今、一番それが欲しい」
鼓動が高鳴りすぎて、上手く呼吸ができない感覚に陥っている。
仰向けで横たわる私の耳元に覆いかぶさった七央さんは、艶っぽい声で「ダメか?」と訊いた。
さっきの口づけと熱を孕んだ視線、そして甘い囁きに、もう思考は脳みそが溶けだしてしまっているかのように正常には働かない。
ただ、ひとつだけはっきりしていること……。
「ダメじゃ……ないです」
このまま七央さんの体温に包まれたいと、私の本能がそう答えていた。