契約結婚ですが、極上パイロットの溺愛が始まりました


「もう、佑杏が微妙なネタ出すから、成海先生気使ったんじゃないの」


 話しづらそうなんて言われた時点で間違いない。

〝例の食事会〟とか、〝あのスカートは穿いて行ったのか〟とか、浮かれた話にしか聞こえないし……。

 私に睨まれた佑杏は「だね……」と苦笑いをしてみせる。


「あとでちゃんと謝るよ。でも、せっかくゆっくり話していいって時間もらったんだもん。じっくり聞かせてもらうからね。じゃないと、晴斗さんに悪いし」


 そうきたか……。


 そんな言い方をされてしまうと、抗議もしにくくなってしまう。


「……スカートはクリーニング中だから、次来るときに持ってくるよ。ありがとね」

「あ、ちゃんと使ってくれたんだね。良かった。で? どうだったの?」


 成海先生が持ってきてくれたティーポットから紅茶を注ぎながら、佑杏は早速ワクワクした調子で訊く。


「どう、って……」


 佑杏には、すべて包み隠さず話すつもりでいる。

 でも、どこから話したらいいんだろう。

 この間の沖縄旅行の帰りの飛行機での一件から、あの食事会で偶然に再会して、それから個人的に会ってほしいと言われて、契約結婚の話を持ち掛けられたこと……?

 なんか話が初めからぶっ飛んでて、すべて話すにしても壮大な話になってしまいそうだ。

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