破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
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ミアは、焦っていた。
まさかザックがあんなにもアーシェリアスを大事に想っているとは想像していなかったからだ。
(こうなったら、アーシェ自体の評価を落とすしかない……)
幸いにも、これから向かう先は一緒。
これはきっと天が、神が、自分に味方をしているに違いない。
(誰からも愛されているのは私よ)
愛される容姿と心を捕らえて離さない振る舞い。
ミアは生まれてからずっと愛されて生きてきた。
(それなのに……アーシェがアルバート様と婚約破棄してから、何かがおかしい)
無言で隣を歩く婚約者をそっと見上げる。
彼の視線は、いつのまにか後ろを振り返り、微笑み合うアーシェリアスとザックに向いていた。
アルバートがふたりをどんな気持ちで見ているのか。
ミアにはわからないが、ひとつだけハッキリしていること。
それは、自分に向けられているはずのアルバートの好意が、エスディオに来てから感じられなくなったのだ。
それが、アーシェリアスの影響だとしたら。
(許せない……。愛されるのは私だけでいいの。必ず蹴落としてやる)
自分の人生の主人公は自分。
愛されるべきは自分なのだ。
俯いて肩を落としながら歩くミアの瞳は、邪魔でたまらないアーシェリアスへの怒りに満ちていた。
ミアは、焦っていた。
まさかザックがあんなにもアーシェリアスを大事に想っているとは想像していなかったからだ。
(こうなったら、アーシェ自体の評価を落とすしかない……)
幸いにも、これから向かう先は一緒。
これはきっと天が、神が、自分に味方をしているに違いない。
(誰からも愛されているのは私よ)
愛される容姿と心を捕らえて離さない振る舞い。
ミアは生まれてからずっと愛されて生きてきた。
(それなのに……アーシェがアルバート様と婚約破棄してから、何かがおかしい)
無言で隣を歩く婚約者をそっと見上げる。
彼の視線は、いつのまにか後ろを振り返り、微笑み合うアーシェリアスとザックに向いていた。
アルバートがふたりをどんな気持ちで見ているのか。
ミアにはわからないが、ひとつだけハッキリしていること。
それは、自分に向けられているはずのアルバートの好意が、エスディオに来てから感じられなくなったのだ。
それが、アーシェリアスの影響だとしたら。
(許せない……。愛されるのは私だけでいいの。必ず蹴落としてやる)
自分の人生の主人公は自分。
愛されるべきは自分なのだ。
俯いて肩を落としながら歩くミアの瞳は、邪魔でたまらないアーシェリアスへの怒りに満ちていた。