破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】
「そうだったんですね……。この世界が気になるってことは、失った記憶に関わってるってことなんですかね……」
「どうだろー。でも実は、君にこの世界の名前を聞かされた時、ほんの一瞬だけひっかかるものがあったんだ」
言われてみれば確かに……いや、そんな素振りはあったかなと記憶を探っていたアーシェリアスはふと、コスタの話を思い出した。
コスタの祖母、リンカ・イディアルの存在を。
「あの、もしかして、神様ってこの世界にもうひとり転生させませんでした?」
「うーん……覚えてないなぁ」
「そうですか」
では、別の神様が転生させたのだろうか。
自分のように不運にも寿命を全うできなかった者を。
「さて、我はそろそろ行こうかな。気になるからまた来ると思うけど、会えたらよろしく。ではでは、エンジョイ!」
「エ、エンジョイ!」
ウィンクして手を振り去っていく神様。
大切な記憶を犠牲にして、一体何に力を使ったのか。
(いつか取り戻せるといいですね)
人波の中に紛れて神様の姿が見えなくなると、アーシェリアスは踵を返し、会場へと戻った。
「どうだろー。でも実は、君にこの世界の名前を聞かされた時、ほんの一瞬だけひっかかるものがあったんだ」
言われてみれば確かに……いや、そんな素振りはあったかなと記憶を探っていたアーシェリアスはふと、コスタの話を思い出した。
コスタの祖母、リンカ・イディアルの存在を。
「あの、もしかして、神様ってこの世界にもうひとり転生させませんでした?」
「うーん……覚えてないなぁ」
「そうですか」
では、別の神様が転生させたのだろうか。
自分のように不運にも寿命を全うできなかった者を。
「さて、我はそろそろ行こうかな。気になるからまた来ると思うけど、会えたらよろしく。ではでは、エンジョイ!」
「エ、エンジョイ!」
ウィンクして手を振り去っていく神様。
大切な記憶を犠牲にして、一体何に力を使ったのか。
(いつか取り戻せるといいですね)
人波の中に紛れて神様の姿が見えなくなると、アーシェリアスは踵を返し、会場へと戻った。