転生悪役令嬢のお目付役
憧れの悪役令嬢!

 気がつくと、ふかふかの寝台にいた。

「ジュリアンお嬢様? ジュリアンお嬢様! ご主人様! ジュリアンお嬢様が、お目覚めです!」

 騒がしい声を聞きながら、夢見心地で今の状況を頭の中で整理する。

 ここは私が希望した『アルゼンタム王国〜麗しの王子たち〜』というゲームの中。
 私は今、グラフィス家公爵令嬢のジュリアン・エヴィ・グラフィス。いわゆる悪役令嬢だ。

 このゲームが好きで、コンプリート済みなので熟知している。私自身は引っ込み思案な性格。

 ジュリアンとは真逆。だからかな。誰であろうと、好き勝手な発言をするジュリアンが輝いて見えた。

 しかしゲームでは、悪役令嬢にはなれない。それがこんな形で叶うなんて。
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