初恋物語~大切な君へ


放課後





「雫ー帰ろー帰り道クレープ食べよ」
「優馬君も誘ってさ。」



「兄ちゃん今日学校終わってすぐ」
「バイトだから帰れないって言ってた」



「雫の兄は今日も多忙なのだね(笑)」



「最近バイトの人1人辞めたらしく」
「忙しいみたい」


しゅんっと私は少し寂しい顔しながから
言うと美桜がニコニコ微笑んでいた。



「雫はお兄ちゃん大好きだもんな♪」
「兄弟仲良しは羨ましいわぁ。」
「私は一人っ子だからさ(笑)」



「私にとって兄ちゃんにとっても」
「美桜は大切な家族みたいで大切な」
「かけがえのない存在だよ」



「しーずーくー!」
「本当に雫は!」
「嬉しい事言ってくれる!」
「もう!大好き!」


美桜とそんな話しをしながからイチャイチャしているとクラスの女の子に話しかけられた。



「木梨さん…」


そう私のみよじを呼ぶのは
ついさっきまで吉川颯太君の周りと盛り上がって話してる1人の子だった。


「なんでしょ?」



「あのね、私この後歴史の先生に頼まれ事」
「されてて職員室行くように言われてた」
「のだけれど急遽用事できて変わって」
「もらえないかな?」
「とても大事な用事で…。」





美桜とクレープ楽しみだったんだけどな…。
でも大事な用事なら仕方ないか。
美桜とのクレープは明日にでも行けるし
明日なら兄ちゃんも来れるから3人で
さらに楽しくなりそうだし。


「美桜…?」





「雫いいよ♪」
「断れないんでしょ?」
「クレープ明日3人で行こ♪」



「美桜ありがとう!」
「明日絶対行こうね!」




「木梨さん?大丈夫かな?」




「わかりました。」
「大事な用事なら仕方ないですし」
「承ります。」



「ありがとう!木梨さん!」
「すごく助かる!んじゃよろしくね!」


クラスの女の子はそのまま教室を後にした。
そして私達が話してる間いつの間にかクラスのほとんどが教室を後にしていた。



「美桜そろそろ私職員室行ってくるね」
「美桜帰り気をつけて帰ってね」



「雫こそ帰り1人なんだから」
「気をつけてね。」


「ありがとう♪美桜」
「それじゃまた明日ね!」


こうして私は美桜と別れて職員室に向かって長い廊下を歩いた。
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