このせかいに在るがまま
そんなわたしに、先生は答えをくれた。
「俺も、こんなんでも教師だからなぁ。誰と誰が仲いいとか、だれを好きとかってのは結構わかるもんなんだ。芽吹が気づいていたかはわからないが、星原がおまえのことを気にかけていることはわりとわかりやすい方だったぞ」
「…そう、でしたか」
「お前が痛い思いしていたことも分かっていたのに何もしてやれなくて本当にすまなかった。反省してもしきれることではないが…星原がな、一度俺のとこに来たんだよ」
それは、ちょうど半年前のことだったという。
わたしへのいじめが止み、山岸さんと滝口くんが学校に来なくなってから少し経った日の、放課後のことだったらしい。
星原くんはその日、“手続き”をしに学校に来ていて、帰る前に先生のところに来たとのことだった。
「『山岸とか滝口とか、ああいうやつらを更生するために先生はいるんじゃないんですか。誰かが来なくなるんじゃなくて、最低限の秩序を守るための結論にするべきだった。大人にしか、…先生にしか、できないことがあったんじゃないんですか』ってさ。生徒にそんなこと言われて、俺は情けなかったよ」
はは…と力なく笑う小宮先生に、わたしは何も言えなかった。