このせかいに在るがまま
「あの親の元で育って、クソみたいな学校に通ってさ、味方も何もいない世界で理不尽と闘って生きるんだ。おれみたいな弟がいて、きっと精神的にもしんどくてつらかったはずなのに、『天晴はすごいよ、いいなあ、かっこいいなぁ』ってさ。自分のなまえにすら誇りも持てないってどんな気持ちなのか、おれはわかってやれない。そうやって生きてた姉ちゃんが生きる理由ってなんだったのか、ずっと眠り続けてる間どんな夢を見てるのかも、知るのが怖い、」
「…、星原くん、」
「姉ちゃん、ホントはすごく笑う人なのに。母さんたちの前じゃいつからか全然笑わなくなってた。おれはしってた、姉ちゃんが悩んでることを知ってたのに。なにもできなかった。おれは最低なんだ、クソでゴミで、なんにもない…、」
せかいを変える努力をしない。理不尽な世界を呪うばかりで、新しいせかいをつくろうとしてこなかった。
星原くんは、そんな自分の生き方を後悔しているのかもしれない。