最後にもう一度愛を...
「養子縁組の話をしに実家に一緒に行ってくれた今崎さんに、
『戸籍上は親子。私の子供です。私が面倒みるので大丈夫です』
とお義母さんはきっぱりと言いました。
お義母さんが私を面倒みるって言ったのはお金のためだと思います。
お父さんはなぜだか分かりませんが、
遺産をすべて私に相続すると弁護士にまで頼んで決めていたんです......
お父さんの遺産はすべて私に入ります。
だから私をどうしても手元に置いときたかったんでしょう。
案の定、遺産はすべてお義母さんのものになりました。
私はお金に執着はなかったですし...
どうでも良かったんです。
今崎さんとは今後一切会うなとお義母さんに言われました。
会おうものなら今崎さんに危害を加えると......
だから一度こっそり会いに行き、
今崎さんに学園に通っていた9年間に父から振り込まれたお金が入っている通帳を渡しました。
私が今崎さんと出かける時のお金はすべて今崎さんが出してくれたんです。
だから私がお父さんのお金を使ったのなんてほんのわずかで...
だから今崎さんに今までのお礼がわりに、
『この通帳使ってください。今までのお礼です』と渡しました。
中々今崎さんは受け取ってくれなかったんです。
だから...『あの人にこのお金だけは渡したくないの。私の9年間なの。使ってもらうなら一緒に居てくれた今崎さんに使ってほしいの。でね...もし私があの家から追い出されたら...家族になってくれる?』っていったんです。
そしたら笑顔で
『わかったわ...それにもちろん家族になるわ』
そう言って、やっと受け取ってくれました。
この時会ったのが最後です。
会いたかった。でも......義母に言われたことが脳裏をよぎって行けませんでした....」