最後にもう一度愛を...



『里紗を本家に連れていく』



紅さんはどこかへ電話を掛けていた


本家...?


『里紗、本家には今崎さんも来ている。大事な話があるんだ。一緒に来てくれるか?』


今崎さんもいるの...?


大事な話......



「わかりました。行きます」



紅さんはほっとしたような顔をした



『藍が車で待っている。行くか』



電話の相手は藍さんだったんだ


二人で並んで歩いていくと、見覚えのある車と藍さんの姿が見えてきた


「里紗ちゃん、守れなくてごめん。そして紅のことを待っていてくれてありがとう」


藍さんになぜか謝られてしまった


なにも悪くないのに...


「藍さん、お久しぶりです。助けに来てくれてありがとうございます。こうしてまた藍さんと会えて、紅さんと一緒にいられてうれしいです」


そういった私に藍さんは少し泣きそうな顔で、優しく微笑んでくれた

< 307 / 378 >

この作品をシェア

pagetop