メリーバッドエンド
「けいくん……も、ダメ……」

苦しさから目に涙を溜め、頬を赤くして若菜が俺を見つめる。このまま若菜の全てを奪ってしまいたい。俺の手でもっと若菜を乱して、ぐちゃぐちゃにしたい。

でも、今ここで手を出したらアメリカに行った時に寂しさがさらに増してしまう。俺は若菜を襲いたい気持ちをグッと堪え、代わりにさっきとは違い優しいキスを落とす。唇だけでは足りず、頬や首筋など若菜の反応を楽しみながらキスを落としていった。

「圭くん、ダメ!恥ずか……しい……」

「いいよ、恥ずかしがっても。ここには俺と若菜しかいないし、誰にも邪魔されないから」

恥ずかしがり、俺の手を強く握ってくる若菜が愛おしい。高鳴る胸を幸せに感じながら若菜の頭を優しく撫で、抱き締める。

「一週間も離れるなんて嫌だな……。でも仕事だから、頑張らないとね」

俺がそう言うと、「アメリカに行くんだっけ?」と若菜が訊いてくる。俺が頷くと若菜の目が一瞬煌めいた。

「いいな……。私、海外なんて行ったことがないから」

若菜は海外旅行に行くという夢があった。俺は微笑み、若菜の頬に触れながら言う。
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