夢にも思ってなかったよ。
「その考えが間違いだと何故、気が付かない?
 はっきり言うが真夏以外の女となんか結婚なんてあり得ない。
 特に結婚相手としてあり得ないのが君だと何故分からない?
 まさか、君はあんなに大事な事を忘れたのか?」

ん?
どういう事?
二人しか分からない会話に淋しさを覚えるが、理解したくて考え込む。

「薫君はっ!
 子どもの頃の記憶がないのっ!?
 わたしが大きくなった時にまだ好きだったら、結婚するって約束したじゃない!?」

「悪いが記憶にない。
 それと、もしその話が本当だとしても何故僕がそんな嘘を吐いたか考えたことあるのか?
 まだ、小さな君に"悪いが君の事は女と思えない。他を当たってくれ"なんて、いくら僕でもそこまで言えない。
 それで、君が僕の結婚相手として一番あり得ない理由だけど忘れたのか?」

全く、想像つかない私はただ聞いているのみ。
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