碧色の恋。


花火大会の朝、突然彼がやってきた。


「こっとちゃーん!!!」


いとこの松原颯太。通称颯ちゃん。
来るなんて全然知らなくて、私は食べていたアイスのスプーンを落としてしまった。


「え、颯ちゃんなんで??」


「あれ、聞いてない?」


慌ててお母さんの方を見ると、そう言えば!みたいな感じで今思い出したようだ。
颯ちゃんはお父さんのお兄さんの子供。


「お義兄さん今日結婚記念日で、2人で旅行に行くって言ってたんだけどその間颯太くん家に1人になっちゃうから旅行期間はウチに泊まることになったのよ」


そんなの初耳だ。別に颯ちゃんのこと嫌いじゃないけど。
仮にも……その男の子だし。



「ことちゃんおれにも1口ちょーだい?」


平気で間接キスとかしようとするところが、少し苦手だ。
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