李世先輩は私のことを知り尽くしている?
素人目には「すごい」という言葉しか出てこないけど、陸部である和くんから見ても、先輩はすごいらしい。
和くんの予想通り、先輩はだんだんと高くなっていくバーを、着実に飛び越えていく。
他校の選手や観客たちも、李世先輩の美しさに目を奪われていて。
先輩がどんどんクリアするたびに、おおっとフィールド上の空気が揺れる。
少しずつ選手が脱落していって、残るは李世先輩と他校の三年生だけになった。
「もう、地区予選通過レベルはとっくに超えてるからな。ここからは、二人の勝負だ」
和くんも、真剣な表情で二人の対決を見守っている。
その目には、闘志すら伺えて……。
ずっと明るくふるまっていたけど、大会に出られなかった悔しさもあるんだろうな。