時間切れ

「先生!のりちゃんは、お料理上手なんですよ!
私が働いてた時は、お弁当を作ってくれたし〜」

「お弁当! 俺は小学生の頃に母親が亡くなったので、小、中は給食でしたが高校は、いつも売店のパンでした。ハハハ
お母さんの手作り弁当で、陸が羨ましいよ。」

「お弁当って言っても、前の日の残り物をアレンジしたりするだけですよ!大した物ではないです…」

「のりちゃん、前の日の残り物でも良ければこれからはおんなじ職場なんだから、先生の分も作ってあげれば?」

「そんなの無理ですよ! 無理、無理!」

「そうですよね〜 俺の分を作ってもらうのはイヤですよね〜」

「母さんも、昼は弁当持って行くんだろ?じゃあ、一也さんの分もついでに作ってあげれば良いんじゃあない?」

「作る手間の事ではなくて…おかずが質素なの!」

「典子さんが、イヤなら大丈夫です。
今まで通り近所のコンビニ弁当を食べますから」

「のりちゃん、先生が可哀想だから作ってあげて〜、お願い。
コンビニ弁当ばかりじゃあ体壊すわよ〜」

「オレからも頼むよ〜母さん。」

「本当に、質素なおかずですよ…期待しないで下さい…
それでも先生が良ければ、作ります…」
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