時間切れ

「母さん何を悩んでるの? 1番不安は何?」

「うん… また浮気されて離婚したらどうしようって、怖いの…」

「なぁ母さん、一也さんは離婚した理由も全部知ってるんだよ! 
母さんがどんな事で傷ついたかも全部。

それでも母さんが好きだからプロポーズしたんじゃないの?
俺は、一也さんなら「父さん」て呼べるし、これからずぅーと一緒にいたいと思える。」

「そうだね、先生は全部知ってるんだった。
慎一さんの事も…全て…
陸! 20時半にココで返事する事になってるんだけど、決めた!
お母さん、篠原 一也さんと結婚する!
幸せになっても良いよね?」

「あぁ! 世界一の幸せ者になれ!母さん。」

典子は、わ〜んと子供のように泣き出した。
陸はびっくりしたが、ずぅーと我慢ばかりしていた母親が自由に解放されたんだと思えた。

典子はしばらく泣いていて、陸はタオルを持ってきて典子に渡し、泣き止むまで背中をトントンしたり、さすったりした。

やっと泣き止んだ典子は、晴れやかな顔つきになっていて陸も安心した。


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